策士と始動しました。

18/31
前へ
/396ページ
次へ
「趣味や好きなことは?」 「散歩…ですかね。」 「あ、そこは書道じゃないんだ。」 なんて笑い合いながら駅へと続く道を歩く。 たまに先輩の横顔をチラッと見て、目が合う前に俯いて。 ありふれた会話だけで心が温かくなる。 そんな心地良い時間を作り出せる西野先輩って、ほんとに何者なんだろう。 ふと視線を周りの景色に向けると、公園に赤い車両が停まっているのが目に入った。 架かっているメニューを見る限り、移動販売のクレープ屋さんのようだ。 それは西野先輩の目にも留まったみたいで。 「あ、クレープ屋さん。何か食べていかない?」 「いいですよ。先輩、クレープ好きなんですか?」 「特別好き、ってわけじゃないけど、放課後クレープと言えば青春の象徴だよね。」 「そうなんです…か?」 私にはよく分からない西野先輩の青春の定義。
/396ページ

最初のコメントを投稿しよう!

947人が本棚に入れています
本棚に追加