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戦略的恋人関係を始めるうえで、先輩は『高校生らしい青春を経験したい』と言っていた。
クレープを食べることがその条件を満たすのなら、私はその青春を全力で実現させたい。
まだ出会って間もないけど、西野先輩にはたくさんお世話になったから。
クレープ屋さんのワゴンの前に立って、メニューを眺める。
「由季未ちゃんはどれにする?」
「うーん…」
生クリームがたくさんとか、なんちゃらデラックスみたいな甘ったるい具材が盛り沢山のものはあんまり好きじゃない。
でも、千紗以外の女の子と遊ぶときには、メニューひとつにも結構気を遣うんだよね。
お食事系のクレープを選べば、『変わり者』なんて思われかねないから。
それでやむを得ず、いちご生クリームなんちゃらみたいな、いかにも女子が選びそうなものを選ぶ。
翌日壮絶な胃もたれに襲われるという犠牲を伴って。
でも、今日のお相手は私の本性を知っている西野先輩だし…猫かぶらなくてもいっか。
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