生まれる前から背負った物語

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 修が中学三年の時、 新たに高校が出来た。  女子高の進学校が男女共学になったのだ。  進路の先生は修に西高に行くよう進めた。  後悔はそこから始まった。  入学式から修は圧倒された。  生徒は殆ど女子だった。  男子はほんの一握りしかいなかった。  その男子も全員が圧倒されて何故か弱そうに見えた。  それからは辛い二年間だった。  ようやく下級生にも男子が入り、 居心地も良くなったがまだ女子が八割を占めていた。  修は今まで地味に、 目立たないように、 座敷童子のように静かに学校生活を送っていた。  しかし、 今日はとんでもない事をしてしまった。
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