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シロは常に家族を気使い、
守った。
彼らの知らない下界の世界では混沌とした泥沼のような社会が繰り広げられていた。
栄華、
衰退、
戦い、
氾濫、
疫病、
飢饉、
自然災害等、
いつの時代でも一般庶民は苦しんでいた。
村の噂では源氏が平氏を打ち破り、
平氏の残党が各地に逃げ込んだという噂で持ち切りだった。
「平氏の残党を匿えば源氏の武将にその一族、
親類全て処刑されるそうだ、
隣村では残党が見付かって若い者が皆で殺したらしいぞ」
こんな所にもいよいよ来たんだなとセイは思った。
冬、
セイ一家は山奥の深い雪の中、
小屋を覆った自然の鎌倉の中でじっと生活していた。
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