幼馴染

2/8
2人が本棚に入れています
本棚に追加
/71ページ
「暁、どこにいるの?」 そう、少し大きな声で叫びながら家の中を歩き回る彼女の名は、波音。 ここに住んでいる女の子だ。 そして、今、波音はある子を探している真っ最中。 だから、周りをキョロキョロしながら、探していた。 すると、外から声が聞こえてくる。 その声がする方へ、波音は向かうと、玄関の門の前で、イライラしながら立っている男の子がいた。 「お姉ちゃん遅い! 俺、早く行きたいんだけど?」 「何を偉そうに…勝手に外に出たのは、 あなたでしょう? 暁??」 「それより早く行こう。 早くしないと光月ちゃんがくる!」 そう言って、波音を急かすように、門に手をかける彼こそ、今まで波音が探していた人物であり、彼女の弟の暁だ。 4つも歳が離れているはずなのに、何故か最近、偉そうにする彼。 波音は、そんな暁を見ながら思う。 男の子だからそうなるのか? それとも、"ただの反抗期"っと、いうものなのか?そんなことを考えていると、かすかに、誰かの声がまた聞こえてきた。 その声に、いち早く気づいたのは暁。 暁は、慌てたように門の外に出て、すぐ左に目を向ける。 すると、その道から子ども達と、3人の女の人達が歩いてきていた。 又その中で、1番前を歩き、波音とさほど背が変わらない 。大きさの男の子・2人に、手をつないで貰いながら、歩いている女の子。 彼女は、こちらに気がつき、うれしそうにする。 またその瞬間、男の子達と繋いでいた手を離し、こちらにかけてきた。 「あかくーん!なみちゃーん!」 「光月ちゃん、もう来たんだね。 せっかく迎えに行こうっておもったのに…残念だな」 そう言って暁は、走ってきた女の子を光月と呼び、しっかりと捕まえながら、話をする。 光月は楽しそうに笑い、暁の手を持っていた。 すると、そこに割り込むように、入り込んできたのは、光月と背が変わらないぐらいの女の子。 暁は、その子を見て、少し機嫌が悪くなり、睨むような顔で彼女を見たが、彼女は全く気にしていなく、平然と光月に話しかけていた。
/71ページ

最初のコメントを投稿しよう!