< 願望 >

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そう、美菜は電車に乗るのが嫌いなのだ。 電車を待つ時間がもったいないし、特にイラつく乗客の姿 を目にするとうんざりしてしまうからだ。 その為、外出時は車で出かけるのが常だった。 さすが、グレン! 鋭い洞察力だなと感心してしまう。 と同時にお気楽な嘘のつき方では、感嘆に彼女の心の 中を見透かされてしまいそうにも思えた。 なんてったて、17年以上、生活を共にしてきたのだから もはや美菜の両親以上に彼女の事を熟知しているだろう。
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