< 密会 >

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そのアンテナを目いっぱい張り巡らせて いるのだが、なんせ彼女の頭の中では出逢った 時のリアクションに始まり、会話の内容、いざ? という時の立ち回りなど、あらゆる状況に対処出来る ようシュミレーションがせわしなく展開されている 為、その感度は鈍くなっているようだった。 段々と緊張のあまり、携帯電話を握る手の平の内部に じんわりと汗が滲み出てくるのが感じられる。 加えて、喉が、カラカラになり出して、空咳まで出てきた。
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