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「疲れたー」
「二日目から体育なんてありえなくない?」
「ほんとに」
授業が終わり、更衣室へ行くと話が盛り上がっているグループがあった。
声が大きくて、全て筒抜けだ。
楽しそうに話す彼女たちに一年生の頃の自分を重ねてしまう。
琴音、ユキナ、サチ、あたし。
四人でバカな事ばっかり話してたなぁ。
ユキナには他校の彼氏、サチには大学生の彼氏がいた。
彼氏のいないあたしと琴音は、興味津々で二人の恋バナを聞いたり。
琴音の片想いの話を聞いたり、応援したり。すごく楽しかった。
想い出がつらつらと出てくる。
一年の頃に戻りたいなぁ……そんな事を思いながら
目の前の彼女たちの話を聞くともなしに聞いていた。
「やっぱ、真瀬って、かっこいいよね」
誰かがしっとりと言った。
よく話題になる人だなぁ。
そう思いながら、スカートのホックに手をかけると
「あたしも思った! 中学の頃よりかっこよくなってない?」
「わかるー! 男っぽくなったよね」
次々に会話が飛び交う。
あれが男っぽい?
理解できないな……と思いながらも
中学時代の真瀬を知ってるこの子達は、
彼と同じ中学校出身なのかな?とも思った。
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