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真瀬侑成は
一拍の間を置いてから、あたしのスマホを耳に当て話しだした。
「ごめんね。お友達。今日は俺が連れてきちゃった」
「ちょっと!」
何勝手に話しているの?!
取り返そうと手を伸ばしたけれど、彼は器用によけて話し続ける。
あたしは女子にしては背が高い方だけど。
真瀬にかなうはずない。
だって、この人、178センチくらいあるんじゃないかな。
「返して!」
「なぁちゃんの事、ちゃんと送り届けますから。安心してね」
送り届けるってなによ!
頼んでないし!
しかもなぁちゃんって何?!馴れ馴れしいから!
「真瀬! 真瀬侑成!」
『え~!なぁちゃん。真瀬君と一緒にいるの~?』
高い場所から琴音のこもった声が降ってきた。
「いるけど、でも、違う!!」
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