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「……あたしは、普通だし」
「もう自分の事、普通だと思うのはやめろよ」
グサリと来た。胸の奥の方に。
あたしは人より背が高いだけで。
だからちょっと目立つだけで。
「……普通だもん」
「それ、他の女の前で言ったら殴られんぞ」
「……」
何も言わないあたしを見て、遥斗が言う。
「ほら、ちゃんと見ろ」
車内を見渡せと言わんばかりに、顎をしゃくった遥斗。
恐る恐る後方に視線を向けると
キラキラと目を輝かせてこちらを見ているのは、
女の子だけじゃなかった。
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