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もしかして、遥斗…… 昨日、あたしが倒れたのは、真瀬のせいだと思ってるんじゃ…… そう思うと背筋がゾクリとした。 だって、それは、すごい勘違いだ。 真瀬は勝手に倒れたあたしを家まで運んでくれただけ。 今も勝手に責任を感じてくれているだけなんだと思う。 ……バカだから。 真瀬は正真正銘のバカだから。 だから、送るなんていうんだ。 「行くぞ、美羽」 真瀬から視線を逸らし、歩き出した遥斗。 あたしは目の前を通った遥斗の腕を掴んで言った。 「違うよ、遥斗! 昨日はあたしが勝手に倒れただけで、真瀬は悪くないんだって」 「……そう言う問題じゃない」 「じゃあ、どういう問題なの?」 「どういうって……」 立ち止まった遥斗は言葉を詰まらせた。 多分、言葉を探しているんだ。 口数が少ない遥斗が自分の気持ちをうまく話せない事はわかっていた。 だからこの質問が遥斗を困らせている事も。 でも、これ以上、真瀬にも遥斗にも迷惑をかけたくない一心だったんだ。 わかって。 「遥斗、ほんとにお願い」 言って、見上げた。 「ここからは自分で行ける。遥斗はここまででいいから。早く学校行きなよ」
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