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渓流コースはアッという間に終わって、今は激流コースに突入したみたい。
右左へと、船が大きく揺れて。
ほんとに振り落とされそう。
シートを持つべきか、船枠を持つべきか悩む。
でも……船枠を持ったら、遠心力でそのまま川に転落しそう。
転落してもおかしくないくらいスリリングのある川下りだ。
「春は水かさは多いですからね~。いつもよりも激しく揺れてま~す」
と言いながら、舵を取る船頭さん。
では、安全運転でお願いします。と言いたかったけど
「わーーーっ!!!」
思きり、船が傾く。
荒い!
荒いよ!
川の流れが激しいから仕方がないのかもしれないけれど。
スリリングを楽しんでいるようにしか見えない舵とりを恨んだ。
「次が最難関でーす!!」
絶対この状況を楽しんでいる船頭さんの声が聞こえた後、船が今までにないくらい大きく動いた。
あたしの体が左へと傾いて
思わず真瀬の手を掴んでしまった。
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