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「ねぇ、侑成。どこ行くの?」 「決めてない。ウミが思い出しそうな所を当てもなく行こうと思って」 「……じゃあさ、一番初めに行きたい所があるんだけど」 「どこ?」 「って、ここ?」 「うん」 あたしが侑成を連れてやってきたのは、地域に一つはありそうな、衣服が安く買えるお店だ。(今朝起きた時、侑成の部屋からお店の看板が見えた!) あたしが持っていた手提げ袋の中には、青い本と紙切れと財布が入っていた。 財布の中には、思っていた以上に現金が入っていて―― 「色々、欲しいものがあってさ」 あたしは必要な物を買いに来た。 着替え、下着、靴下、など。 生活に必要な物をいくつか買いたかったんだ。 侑成に借りられるものには限度があったから。
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