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「どうしたの? こんな早くから」
「スパイクの修理してた」
そう言う彼の手には、白色に青いラインが入った運動靴がある。
よく見ると、靴底にはいくつかピンがついていた。
彼は専用の金具を使って、そのピンを外していく。
「全部はずしちゃうの?」
玄関に腰かけて、スパイクの手入れをしている彼の横にしゃがみこんだ。
「あぁ。今日から練習始まるし」
「陸上部、だっけ?」
「そう。もうすぐ大会なんだ」
侑成は靴底についた泥や水分を丁寧にふき取り、すり減ったピンを交換して、スパイクカバーをかける。
スパイクの手入れって初めて見た。
こんな風に大切に扱うんだ……
侑成はそれを専用の袋にしまうと
「今日は指定練習日でさ。どーしてもいかなきゃなんない」
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