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7 #2
侑成は困ったように頭をかいた。
練習には行きたい。
けれど、この家にあたしひとりを残していくのも気がひける。
そんな感じなのかもしれない。
あたしは、困り果てている侑成に向けて、へへと笑って
「その代わり」
と、条件を出した。
「いいよ」
あたしが出した条件は、
『ピアノを弾かせてほしい』
だった。
『侑成が練習している間、ピアノを弾いて待ってるよ』
『半日も?』
『半日なんて、あっという間だよ』
『そりゃ、あんだけ弾けるわ』
そう言って、彼は安心したように笑った。
そして、練習へ行ってくれるようになった。
その方があたしも嬉しい。
侑成には心置きなく、最後の大会に臨んでほしいと思うから。
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