気づけば恋だった。 第11話

３

「やったー！海だ！海！海っ！」

太陽の日差しが降り注ぐ浜辺をビーチサンダルでかけていく。

白い砂浜にあたしの足跡が残る。

その後を辿る様に彼がついてきて「転ぶなよー」と背後から声をかけた。

「大丈夫っ！」

侑成の家で水着に着替えてきた。

その上にＴシャツ、デニムの短パンを履き、侑成に借りた浮き輪を片手に持って海を目指して走っている。

あたしたちはよく海沿いの道を散歩しながら。もしくは浜辺の階段に座りながら。

白い浜の奥にある輝く海を眺めていた。

そこで世間話をしたり、アイスを食べたりして、楽しい時間を過ごしてきた。

見てるだけの時は、海はずっと遠くにあると思っていたのに

走って近づくとその距離は思っていたよりも近く、あっという間に波打ち際に到着した。