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そんな事を言われても
多分、現実は変わらないだろう。
想像するだけで胸が痛い。
幾筋もの涙が零れ落ちていく。
でも、帰るって決めたから
もう泣いちゃダメだ。
そう思うのに、涙は止められなくて。
どうしていいのかわからずに目を逸らすと
彼が両手であたしの頬を包み込み、親指の腹で涙を拭いて、優しい優しい目をして、言った。
「お前にかかる言葉は、全部、嘘なんだろ?」
「……うん」
「だったら、次何か言われたら“違う”って言え。
全力で否定しろ。
否定しない言葉は、全て真実に塗り替えられる。
だから、自分なんて…とか、どうせ…とか思わずに。
お前を信じてくれる人を全員味方にして、巻き込んで。
戦え。諦めんな!」
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