23人が本棚に入れています
本棚に追加
大人っぽい顔つきのあたしは、こちらを見てる。
彼女はゆっくり歩いてくるとあたしの手を取って
“ずっと、見てた”
と言った。
意味がわからない――。
“帰ろう。戻ろう。”
と彼女は言う。
“このままじゃ、ダメ。”
あたしは首を横に振った。
「いや、怖い。戻りたくない。」
涙を零しながら必死に首を振ると、ジャージ姿の彼女は言った。
「わかった、あたしが行く」と。
彼女はあたしを置いて、光へ向かって歩いて行く。
光の中に消えていった彼女がどこへ行ったのか、
あたしには、まだわからない――――
最初のコメントを投稿しよう!