2

3/11
前へ
/35ページ
次へ
大人っぽい顔つきのあたしは、こちらを見てる。 彼女はゆっくり歩いてくるとあたしの手を取って “ずっと、見てた” と言った。 意味がわからない――。 “帰ろう。戻ろう。” と彼女は言う。 “このままじゃ、ダメ。” あたしは首を横に振った。 「いや、怖い。戻りたくない。」 涙を零しながら必死に首を振ると、ジャージ姿の彼女は言った。 「わかった、あたしが行く」と。 彼女はあたしを置いて、光へ向かって歩いて行く。 光の中に消えていった彼女がどこへ行ったのか、 あたしには、まだわからない――――
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

23人が本棚に入れています
本棚に追加