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見つめると、目があった。
もうすぐ真瀬が痛いくらいの力を加える。
そしてあたしの左手は形を変えてしまうのだろう。
あぁ……本当にあの時と一緒なんだ。
そして、あたしは、谷底へ落ちる。
そこで、あたしは本当の死を迎えるの?
それならば、
今、伝えなきゃと思った。
彼に感じた二度の想いを
自分の気持ちを――
真瀬が痛いほどの力を加えた。
あたしの小指と薬指が形を変えていく。
あたしの手が真瀬の手から抜け落ちる前にあたしは言った。
「真瀬………
大好き……だよ」
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