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そう思った その時、 彼がーーーー飛んだ。 木を持っていた手を離し、土を蹴飛ばし、反発力を付けて。 迷うことなく、あたしに向かって落ちてくる。 手を伸ばして下降する彼は、あたしを捕まえると後頭部を持って抱きかかえる。 そのままあたしは彼の長い腕の中にすっぽりと納まって。 彼の心臓に頬があてがわれている。 痛くない 怖くもない 彼に抱きしめられ、安堵の息を漏らした時瞬間、あたしは激しい音を聞く。
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