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嘘……
そこに立っていたのは――……
「侑成……」
彼がやってきてくれた。
びっしょりと汗をかいた侑成は、ジャージ姿のままだった。
「どうして、」
助けを呼んだのはあたしなのに……
来てくれて嬉しいのに……
「どうして?」
そう声を漏らすと、息を荒げて侑成は言った。
「バカ野郎!」
「……」
「会場についてすぐ、応援に来てくれた駄菓子屋のおばちゃんが俺に言いに来たんだよ!
お前が知らない男の車に乗って、倉庫の方へ行く所を見たって!
あれはウミのお兄さんか?って聞かれて。イヤな予感がして戻ってきたら……」
言って、彼があたしの元へ走ってきた。
「大丈夫か?」
彼が顔を覗き込んだ、
その時だった。
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