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あの時から ずっと想ってくれていたの? 会えないあたしをずっと待ってくれていた? 侑成は真瀬になっても ずっとあたしの事を好きでいてくれたんだ―― 目の前にいる侑成が、愛おしすぎて。 なんて声を出していいのかわからない。 すると彼がそっと言った。 「だから、ウミが……いや、名瀬が。 俺の彼女で、いいんだろ……?」 あたしは真っ赤になりながら 「うん。…………嬉しい」 校外学習の休憩所、バックには小さく見えるロッジ風のトイレ。 ムードも何もない場所で放ったあたしたちの声に、皆が聞き耳を立てていたなんて知る由もなかった。 「バカ野郎、ふざけんな!」 「リア充は林でイチャつけ!」 真っ赤な顔をした侑成に向けて、二年生全員から野次が飛んだ。
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