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でも、転入生が来るなんて噂は経たず、放課後、町を探してもウミは見つけられなかった。
ムシャクシャしていた俺は他校の生徒のケンカを買い停学を受け、来年からは普通科へ行くことになった。
何やってんだよ、俺は…
ウミ、どこにいるんだよ。
誰もいない旧校舎の音楽室で項垂れて、小さく切り取られた窓の外の景色を見ていた時だった。
すぐ隣に立つ新校舎の屋上に、君が現れた。
二年前より長い髪をなびかせて、制服から細く長い手足を出し、風を受けている。
綺麗だと思った。
その横顔は、二年分大人びて、彼女はとても綺麗になった。
君は、スマホを持って。何やら打ちこんで。
しばらくして微笑んだ。
あの時は、携帯すら持っていなかったのに
今は送る相手がいるんだ――
そう思うと心が穏やかに波打ってくる。
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