夕暮れの刻

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麻里子が家に帰ってきて庭に自転車を停めていると 白のワゴンが庭に入ってきた。 夫だ。 「おかえりなさい。」何気なく言って家に入ろうとするとバン!とドアを開けて呼び止められる。 「おい!」どうしてそんなにケンカ腰なんだろう。 「晩御飯はできてるのか?」 「はい。」 「…また行ってたのか?」 「…はい」 ハーッとため息。視線はそっぽを向いていても、私を責めている。 きっと嫌な顔をしてるんだろう。 予想はつくから私も視線を外す。 黙って家のドアを開けた。
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