三角の綻び

プロローグ

「浮気…してるだろ」
「はぁ？」
冷静な男の問いかけに、女は気だるそうな返事を返した。
「2年近く前からやってるよな？正直隠す努力くらいしてくれ。近所でも評判みたいだぞ」
半ば呆れ顔で男は続けた。
「さすがにうちに連れ込むのは、やり過ぎだろ。帰って来てくれるの前提だけど隠してやってくれるなら好きにしてくれてもいいから」
男は、浮気されようが最後には自分の元に帰るのなら何をしても許せるようだった。そんな男に対し、女は呆れたように言った。