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それは3人の子どもであった。
ユキナちゃんの亡くなった弟である白姫マサル君が、
双子の姉妹アケミちゃんの姉である赤海アエカちゃんが、
3年前に亡くなりミヤビちゃんに憑いていた井坂アキオ君が、
3人ともにナギサの死送りの術式で旅立った子どもである。
ナギサを護るために駆けつけてくれたのだ。
「みんな……っ」
傷ついたナギサが感極まった声をもらす。
すると3人がうなずきながら、ナギサの掌で燃えたつ焔に手を伸ばした。
瞬時に焔が燃えうつり、見る間に黄金色に輝く火焔に成長して3人の全身を覆った。
「そんな……馬鹿なっ……!?」
ペイルライダーが愕然として言葉を失う。
黄金色の焔を纏った3人に対峙する三騎士も、畏怖するように後退る。
白色の騎士が、赤色の騎士が、黒色の騎士が──怖じけ、狼狽し、恐慌した。
逃れるように馬首を返そうとするが、それよりも迅く黄金色の3人が迫る。
その小さな手が触れた途端、轟ッと三騎士が威勢よく燃えあがった。
断末魔がごとき不可聴の絶叫をあげて、きりきりと暴れながら金色の業火に灼かれる。
そして黄金の焔が一点に収斂すると、三騎士が大轟音を発して粉々に爆ぜた。
「ぐうっ」
爆発の余波を喰らったペイルライダーが吹き飛んだ。
木偶のごとく宙を舞うと、十字架がそびえる壁に叩きつけられる。
「……エロイ、エロイ、ラマ、サバクタニ(我が神、我が神、なぜ、我を見捨てたもうたか)」
血を吐きながら呻き声をもらすと、ペイルライダーが前のめりに崩れ落ちた。
どっと床に倒れ伏すと、死んだように微塵も動かなくなる。
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