第3章 世界の涯てに泣く者と ─ ケース4 ─

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 それと同時に、黄金色に燃える3人の助っ人も霞むように消えた。  ペイルライダーとの死闘は終結したが、まだマナミちゃんが戻っていなかった。 「おにいちゃん、どこなの? 暗いよ、怖いよ」 「マナミ──! マナミ──!」  美紀さんとケンイチ君が呼べど叫べど、異空間にいるマナミちゃんに通じない。  焦れる僕の前に、ナギサの霊体が飛来して告げる。 「もう時間がない。あそこからマナミを連れ戻してくる」  言われて見ると、エリュシオンの燭香があとわずかしか残っていない。 「間に合うのかい?」 「イサナが約束しただろう、絶対に救うと。私はそれを叶えてみせる」  ナギサが凜として言った。  けれども、その貌は前を向いたままで、決して僕を見ようとしない。 「ナギサ……」 「行くぞ!」  言い掛けた言葉を遮るように、ナギサが身を躍らせて異空間に飛びこんだ。  霧烟る空間は光なく迷暗で、ナギサが闇間を掻き分けるように泳ぐ。  背を向け泣きじゃくるマナミちゃんに辿り着くと、その頭を撫でながら教える。 「マナミの大切な家族が向こうで待っている。もう帰ろうな」  子守歌のように優しい声音に、マナミちゃんが泣き止み顔を上げた。 「家族……?」 「ああ。マナミのお母さんとお兄ちゃんだよ」  ナギサが幼子をあやす母親のように言う。  僕はその眼を見て、やっと悟った。  あれは母が養護施設から来た自分に向けた、慈愛と母性に満ちた眼の色であった。  それを思い出して、胸が沁みるように温かくなる。 「ごめんなさい許して、帰ってきてお願いだから。母さん、マナミを愛してる!」  美紀さんが叫んだ。
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