タニャバタ

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前を走っていた女の子がこちらを振り向く。 A「早くおいで」 竹に釣らされる紙がひらひらしている。あぁ、触りたい。 A「こーら、紙じゃなくて私の方を見て歩きなさい。迷子になったら私……」 そうだよな。事故で亡くなった両親の代わりに自分を家に迎えたんだよなぁ。そういえば泣きながら竹仕舞ってたもんなぁ。 A「……くすん」 おや、いけない。そんなかわいい女の子が涙なんて流しちゃいけないんだ。私は彼女に寄り添う。 A「ふふ。ちゃんと来たのね。私は七夕の短冊に書いたの。私に寄り添ってくれる何かが欲しいって。そしたらその翌日にあなたが来たのよ。玄関前でダンボールに入れられてたわ」 おそらくペットショップで会った人たちはお前の両親なのだろう。だからお前の誕生日の七月八日に俺は来た。 A「だからいつも一緒だよ、ミー」 猫である私は彼女に抱き締められる。その時、夜空の星がより近くに見えた。
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