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『雨の日の花火大会にあなたが来ないって分かったのは去年…ここ二年雨で延期だったの。
それでも来て待ってたんだけどね?
あなたはこなかった。バカでしょ?雨の中私一人で橋の上でビショビショの浴衣で待ってるの』
そういって彼女は泣き出した。
慰めの言葉が何も出てこない。
だからそっと彼女の肩に手を回す。
『この花火が終わったらまた、あなたは私の前からいなくなってしまうんでしょ?』
僕の方を向いて彼女は答えを求める。
いつの間にか花火は最後のラストスパートにかかりたくさんの花火が打ち上がっている。
『僕は君の幸せを願わなければいけない立場になってしまった
君には幸せになって欲しい
毎日笑っていてほしい
けど、君が泣いているならこの日だけでもいいから横にいたいと思ってしまう』
最後の大きな花火が打ち上げられた。
『君が僕を必要としてくれるなら
僕達はまた会える
でもそれは、願っているようで願っていないことなんだ…僕的にはね
君は君の人生を歩んで欲しいんだ』
花火の火が色を変えて落ちていく。
最後に見た彼女は嬉しそうに笑っていて顔の涙を拭きとってた。
やっぱり笑顔のほうが似合う
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