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朝起きて私はやっぱりベットの上で浴衣のまま寝ていた。
手にはしっかりとクマのクリスタルを持って。
彼の香りが優しく私を包んでいた。
次の年もそのまた次の年も会えるなら会うつもりでいた。
最初は約束したからって理由で行った花火大会けど、彼に会えた。
もう会えないと思っていたからとても嬉しかった。
彼は何も答えてくれなかったけど会えただけで嬉しかった。
次の年は雨で会えなかった。
けどやっぱり次の年も行ってしまう。
雨だけど、今年は会えるんじゃないかって。
けど、二年連続で雨で会えなくて虚しさだけが残った。
雨の日は会えないんじゃないのか、天の川が見える晴れの日しか会えないのではないかと勝手にどこかの童話みたいな理由をつけて納得した。
今年会えてよかった。
そして、今年は彼の思っていることが聞けてよかった。
気持ちがすっきりとして心から笑えた。
来年も晴れを願って、
けれどもう彼だけを求めて泣くのは辞めよう
自分の道を進もう
そう思った時、お線香の香りと共に彼の香りがスッと消えた気がした。
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