君が僕を必要としてくれるなら (彼氏目線)

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『もう一回お願いします』 そう言って鉄砲を渡してまたお金を払う。 彼女を見ると申し訳無いけど嬉しいそんな表情をしていた。 それでも、僕がこの三回で取れるとは思ってはいなかっただろう… 『お?兄ちゃんもっかいやるのかい?頑張るねー何狙いなんだい?』 聞いてきたおじさんに『あれです』と告げながら指を指す。小さなクマのクリスタル。 『あれは難しいねー毎年腕があるやつ用にっておいてある物だからね』 3発つめ込まれた鉄砲を笑いながら渡される。 『彼女にとって上げるのか、いいねー頑張った分だけ価値が上がる。すぐにとれちゃー意味がねーもんな』 そう言ってニカッと彼女に向けて笑った顔は意地悪そうな顔をしていた。 やはり一年間のブランクは毎年キツすぎる。やはり頭で考えなければいけないのかもしれない。 一発目 僕のいるところからクリスタルまでの距離はだいたい2m弱、傾きは銃を平行にしたとき30㎝上げる感じ… よし!ここだ。 《パンッ》 … 『おっしー!!』 あと1cmというところで逸れてしまった。 彼女の残念そうな声が響く。 打つときに少しずれたか… 今度は打つときに手がブレないよう注意する。 … 《パンッ……トンッ》 『あっ…』 『ごめんなー兄ちゃん、この台から落ちないとあげられねんだ』 彼女の声と共におじさんの残念そうな声がした。 クマは少し傾いただけで落ちてはいない。玉は右に当たって逸れてしまった。 玉はあと一発だ。 《ピンポンパンポーン まもなく花火大会を開催いたします。》 アナウンスが入る。時間を見ると花火が打ち上がるまであと15分程度。 花火を見るポイントまで行くのに10分はかかる… この一発にかけるしかない。 さっきと同じ位置 打つときに左を意識してみる。 そっと肩に彼女の手が添えられた気がした。 《パンッ》
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