君が僕を必要としてくれるなら (彼氏目線)

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『わぁっ』 ゴトッガタッと鈍い音をたてながらクマのクリスタルが台から落ちて下のクッションに静かにおさまる。 彼女は嬉しさのあまり僕に抱きついていた。 まさか、今年も取れるなんてな。 少し涙が出てしまってる彼女に僕は 『何で泣いてるんだよ』 って笑いながら可愛くセットされている髪を壊さないように撫でる。 彼女が泣いているのはきっと… 取れたことの嬉しさだけではないのは 分かっている。 どうやらツボに入ってしまった彼女は、本格的に涙を流してしまって、なかなか泣き止んではくれない。 どうにか花火がよく見れるポイントまで彼女を引っ張っていく。 人がいなくてとても静かで 横に流れる川の音 川を囲うように立つ木々の優しく揺れる音 そして月の光がすべてをやんわりと照らす。 その風景がとても絵になっていてそこから見える花火は 映画のワンシーンのように見える絶景の場所。 ここを見つけたのは 5年前の僕
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