さよならは突然に

3/7
前へ
/7ページ
次へ
 だが、決心の日はすぐにやってきた。彼女が仲間を抜けると言い出したのだ。 「ごめんね。今までありがとう」 「ちょっと待って! 本当に抜けるつもり?」 「だって、そういう約束だったじゃない」  彼女の言葉に、俺も思い出した。  彼女が仲間に入った時、一緒にいられるのは半年くらいだと言っていたのだ。  俺たちは「それでもいい」と言って仲間に入れた。あまりにも楽しい時間を過ごしていたから、その事をすっかり忘れていた……。 「残念だけど、仕方ないわね」 「何かあったら、いつでも連絡しろよ」  他のやつらが別れの言葉を発する中、俺は未だに受け入れきれていなかった。 「本当に抜けるのか? 今まで一緒にやってきたのに?」 「もう止めなよ」 「こいつを責めたって仕方ないだろ? 最初からそういう約束だったんだし」  周りから非難の声が上がる。  俺は別に彼女を責めるつもりはない。ただ、一緒にいたいだけなんだ!
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加