第1章

3/5
前へ
/5ページ
次へ
 シャワーを浴び終えて、下ろし立ての下着を身に付けてからリビングへ。 「シェリル、ここ座って」  ソファのアルトの隣を軽く叩くので、何?と首を傾げながらもその場に座ると、テーブルの上に置いてあった小さな箱を手渡した。 「開けて」  促されて開けてみれば、中には純白のレースをあしらったガーターベルトが入っていた。 「どうしたの?これ」 「俺の方でちょっと作ってみた」 「アルトが作ったの?」  驚いて聞き返すとちょっと照れたように、はにかんで頷く。  手に取ってみれば、とても素人が作ったとは思えないほどの仕上がりで、シェリルはただ感心しきり。  ガーターベルトの中心部のラインは青のリボンが縫い付けてられていて、良いアクセントになっている。 「可愛い」  シェリルが目を輝かせていると、アルトがシェリルの髪を耳に掛けて、露になった耳へとフォールドクォーツの普段は自分が身に付けているイヤリングを着けてやる。 「アルト?」 「今日一日、貸してやる。貸すだけだからな、ちゃんと返せよ?」  久しぶりにちゃんと揃ったイヤリングに、シェリルは戸惑いが隠せない。  何でわざわざイヤリングを貸してくるのか、片割れが当たり前になっていたので、両方揃える理由が見当たらない。
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加