第七幕 司と海人 二人の秘密

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「司、制服の替えズボンあったら貸してくれよ。ネクタイも」 「本当に世話が焼ける奴だな。学校が終わったら荷物揃えてここに戻ってこい」 「それって、プロポーズか?」 「洗濯とイジメが同時に出来るってのは、俺も助かるってことだ」 海人は司の白シャツのボタンを留め直し、司のネクタイをトップまでキッチリ締めた。カフリンクはさすがに目立つので外し、カフスをボタンで留めた。 司は、海人から盗んだベージュのワイシャツを着て登校しようと思ったが、今まで服装で校則に背いたことはない事を思い出し、別の白シャツで行くことにした。第三ボタンまで開けて、カフスのボタンは留めない、捲くりもしない、いつもの司スタイルの完成だった。 「司、もっとちゃんと見せてくれよ。この白シャツもカッコいいな」 「気軽に俺のワイシャツに触るな。起っちまうだろが。このシャツか?これは仕立てたやつだ。よくみろ、単なる白シャツに見えっけど、襟と袖がブロードの生地なのに、他はオックスフォードの生地だろ?」 「生意気じゃねぇか。俺も見てるだけで勃起しそうだぜ」 「今晩はこれでいたぶってやっから、それまで我慢しろ」 「待ちきれねぇよ。俺をイジメた後は、また俺に着せてくれんのか?」 「そだな。そしておめぇまるごと洗濯だ」 「てか海人、おめぇ、まるで自分のワイシャツのように他人のワイシャツを着こなすよな。ワイシャツが似合い過ぎる、紳士服量販店の広告モデルのような男を見ると、昔から襟首掴みたくなる。そんなモデルが、身近に居るおかげで、俺のブツも興奮しっ放しで忙しいぜ」 「遠まわしに言うよな。要するに俺が紳士服のモデルみてぇにカッコいいってことだろ?学校では、今まで通りやってくれよ。俺達の仲は秘密にして、これまで通りに〆る振りしてくれよ」 「そか。でもおめぇのワイシャツ姿を〆る最中に起っちまうかもな。それでバレるかも」 「俺がなんとかカバーすっから」 「そか」 「さぁ、学校行くか」 「おう。てかおめぇネクタイ歪んでるぞ」 「直してくれよ」 「どうせ、俺に後で掴まれて乱されるんだぞ」 「わかってるよ。でも司の太い指で直してほしい」 「世話が焼けるよな、ったく」 司は海人のネクタイを掴みながら引き寄せ、軽く海人にキスをした後、海人のネクタイの形を整えた。
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