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【中学校】
俺の中学校に制服はなかった。堂園君は地方へ引っ越してしまった。クラスの中に、オカズになる奴はいなかった。この頃からだろうか、俺は不良学生と呼ばれ始めた。
中学生の時代だけ、性の対象が大人だった。相変わらず刑事物のドラマで抜くことはあったが、実生活で、リアルな人間のシャツ姿で抜くことはなかった。否!あった。父親のシャツである。
我が家の洗濯機の横に、汚れ物用のカゴがあった。そこに洗って欲しいものを入れておくと母親が翌日に洗濯機で洗ってくれる、というどの家庭でもある仕組みがあった。俺はそのカゴに入れられた父のワイシャツが気になった。
カラーシャツを着るサラリーマンが、それほど多くはない時代でも、うちの父親はストライプやチェック、また薄いグリーンやイエローなどのシャツを好んで着ていた。父が会社から帰るとカゴに入れられていたワイシャツ。俺は夜にこっそりと、そのカゴから父親のワイシャツ、洋服箪笥からネクタイを取り出して、自分の部屋に持ち込んだ。
そして袖を通す。固い襟の部分や固いカフス。触るだけで勃起した。第一ボタンまでボタンを全部留め、また袖のボタンを剣ボロのボタンも含めて留めてみる。その状態でベッドで横になり、毛布を掛ける。毛布の下で、ポリエステル混の肌触りが興奮させた。
鏡を横に置き、横たわるワイシャツ姿の自分を見る。そして自分で自分の胸ぐらを掴んだり、襟の下に手のひらを入れ、首を絞めるふりをする。第一ボタンを外し、固い襟を掴むと、乱闘でヤラれて胸の肌蹴たイケメンスターが想像でき、簡単に逝けた。
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