短冊と織姫

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一歩「そうは言うけどさ……お祭りの行事だぜ?それに、お前だって夢?に向けて考えて動いて?まして叶えてるってんならここにはいないはずじゃないか?」 どうせ敵わない……口喧嘩で優姫に勝てた試しはない。それでも思うのだ。 夢を願う事は大切だ。優姫は他力本願と笑うかも知れないけど、叶える方法も見えない程に大きな夢なら、考える事も歩む事も苦しいだけなのだ。 それでも諦められない人にとって願う事は唯一の味方だ。 そう、例えば勉強も運動も何も敵わない凄い凄い幼馴染がいつも真横にいて、 諦めようにもいつも近くから眩しく僕、夏野一歩(なつのはじめ)を照らしてしまっている僕の恋の様に…… 叶わない、敵わない無謀な夢にとって彼女の理屈は正しくても残酷なんだ。 もっとも正論は彼女にあるし、何でも叶えるだろう程に優れた彼女に僕の気持ちなんて分かるとも思えないが……
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