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「…………え?」
「ほら見ろ、お前がデケェ声出してっから起きちまっただろうが。つか、自分だけイッてんじゃねーよ」
「あはは、ゴメンね。見られたって思ったら、つい興奮しちゃって」
「……な、何してるんですか…堤先生…東藤先生もっ…」
そこにいたのは、さっきまで居なかった保健医の堤先生と、もう一人は僕の担任である東藤先生だった。
「見て分かんねぇ?」
東藤先生は見られた事を気にするでも、慌てるでもなく、僕に嘲笑を向ける。先に果てた堤先生からズルリと自身を引き抜き、僕の方が目のやり場に困って目をそらした。
「2年E組って……この子、征成のクラスの子じゃない?」
利用者名簿を手にする堤先生。東藤先生は品定めするみたいに僕を見ている。その視線が妙に艶かしくて、不覚にも一瞬ドキリとした。
「さて、どうするかな」
「どうするって…な、に……」
「誰かにチクられたら困るだろ」
「そんなっ……」
全然困った様子じゃないくせに。東藤先生のギラリと光る視線に何も言えなくなる。
二年になり担任の変更があった。口調も態度も乱暴で、ホントに生徒の事を考えてるのかって思う、およそ教師らしくない教師。他のクラスメイト曰く、そこが親しみやすくて良いらしいのだけど、僕はこの東藤征成と言う教師が苦手だった。
こ、怖いっ……
先生が一歩、近付く。僕は自然と後退った。
「口止めに、誰にも言えねぇ秘密の共有しようじゃねーの。なぁ瀬尾?」
「僕は誰か言うつもりはっ…」
「はは、別にバレても気にしないくせに」
堤先生が笑いながら呟いたけど、焦って取り乱してる僕には聞こえなかった。とん、と肩を押されれば、僕は再びベッドに背をつけて、その上に東藤先生がのし掛かかる。
「な、何するんですかっ…!」
「だから、お前が誰にも言えないようなコトだよ」
「堤せんせっ…た、助けてっ…」
「バカかお前。さっきまで俺とヤッてたような奴が助ける訳ねぇだろ」
「ゴメンね~瀬尾くん、運が悪かったと思って諦めてね」
堤先生を見ると、男とは思えない綺麗な笑みを返された。
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