僕の枷

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++++++++++ 放課後、僕の所属する写真部でのミーティングは、思った以上に早く終わってしまった。ミーティング内容としては、6月末に迫った文化祭での出し物についてだったんだけど、中間テストより前からすでに話し合いは進んでいて、今日はその確認程度だったから、三十分程で解散になってしまった。泰誠の部活は弓道部で、終わるのはいつも七時近いから、まだそれまでには二時間弱の時間があった。 どうしようかな… 図書室にでも行ってようかなと思った時、声を掛けられた。 「瀬尾くん」 不意に声をかけられ驚いて振り返ると、そこには白衣を着た堤先生が立っていた。 「……っ、堤先生…」 「あ、今あからさまに嫌そうな顔した」 「べ、別にっ……そんなつもりは…」 驚きはしたものの、本当にそんなつもりは無かった。でも、本音を言えば気まずくて会いたくなかったのも事実。もしかして、自分でも気付かない内に表情に出ていたのかもしれない。 「何ですか…?」 「ちょっとだけ私に付き合ってくれないかなぁ。君と話がしたいんだよねー」 「話し…?」 堤先生が僕にしたい話しなんて、東藤先生との事に決まってる。出来れば…避けたい。 「僕は別に話すことなんてっ―――」 「君に無くても私にはあるの。保健室まで来てくれないかな?」 「……ここじゃダメなんですか?」 「ヤダなぁ、そんなの聞かなくたって分かってるクセにー」 少しゆったりした優しい口調。「来てくれないか」って聞いてるくせに、まるで拒否は許されない雰囲気。そこに込められた堤先生の真意に、僕に頷くしかなかった。渋々保健室へと向かい、イスを勧められる。何だか居心地が悪く緊張した。改めて正面から堤先生と向かい合う形になれは、嫌でもあの日の事を思い出して、顔が熱くなるのが分かった。 清楚で優しくて温和で、見た目も綺麗で。そんな先生が、平気で卑猥な言葉を口にして東藤先生に抱かれてた。 恋人同士ーーーとは思えないけど、実際は分からない。この間の電話相手のタケルの様な割り切った関係なのか、それともーーー。 少なくとも、僕よりは対等な立場なのは間違いないと思う。
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