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俺がそう尋ねた瞬間、その子の顔はみるみるうちに赤くなっていった。
A「なっ……!
なっ……!
なによ突然!?」
言葉を詰まらせている。
無理もないか。
まぁ、いいや。
俺はぶっちゃけた。
B「俺はAの事が好きだ
ライクじゃなくてラブの意味で」
A「えぇ!?
ちょ……
は、はぁ!?」
慌てふためくA。
B「突然こんな事を言ってすまん
でも、どうしても今言いたくて」
A「な、なに!?
告白!?」
B「まぁ、そうなるかな」
A「――!!」
たまらずAは、俺に背を向けてしまった。
どうやら、顔を見られるが恥ずかしいらしい。
B「A?」
俺が呼びかけると、Aはボソッと呟いた。
A「私も……」
え?なんだって?
B「なんだって?
よく聞こえなかった」
聞き返すと、Aはやけになった様に大声で応えた。
A「私も別に嫌いじゃないって言ったの!!」
B「それはつまり
俺の事を好きって事だよな?」
A「えぇ!
そうよ!
満足!?」
B「そうか……
良かった」
A「な、なによ
もっと喜んだらどう?」
B「いや嬉しいよ
これ以上ないくらいに
もう未練はない」
A「え?」
B「A……
俺を好きでいてくれてありがとう」
A「"いてくれて"?
なんで過去形なの?」
尋ねながら、Aは後ろを振り返った。
しかし、そこには誰も居なかった。
A「B……?」
困惑しながら、辺りを見渡しBの姿を捜すA。
その時、Aは地面に何かが落ちているのに気が付いた。
紙切れだ。
不思議に思い、それを拾い上げる。
それは、短冊だった。
A「これは……」
短冊に書かれた願い事を読み、Aは涙を堪えきれなかった。
その短冊には、こう書かれていた。
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死ぬ前に一度だけ
Aに会えますように
B
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