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…?
…何の本?
アレ?こんなセリフあった…?
!?
私は一気に現実に引き戻された。
最後の台詞は物語の中ではなく、現実に誰かが私に語りかけた声だ。
頭で理解した瞬間、声が聴こえてきた前方に慌てて視線を向けた。
するといつの間にか前の席に誰かが座っているではないか…
そして、それが男子だと判明すると思わず「きゃっ!?」と悲鳴交じりの声を上げてしまう。
前の席に座る男子は椅子を反対に座り、体をこちらに向けていた。
私が驚きの声を上げたので、その男子は驚いて後ろに仰け反り、椅子から落ちそうになる。
色々な感情が込み上げてきて、私の顔はきっと真っ赤になっていただろう。
居た堪れなくなった私はすぐに椅子から立ち上がって隣の机の上にあった鞄を掴み、駆け足で後ろの出口まで行き、勢いよく引き戸を開けて教室を出る。
その瞬間、後ろから何か声が聞こえてきたが、頭がパニックになっていて聞き取れなかった。
教室を出るとすぐに図書室に駆け込んだ。
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