第1章
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「ひぐらし」 どこにでも行けるよって君が言う。 僕は、怖くて動けないんだ。 体育座りの少女は根をはってしまった。 どこにでも行けるよって君が言う。 僕は、俯いて首を振る。 体育座りの少女は片目から花を咲かせる。 君は、僕に咲いた花の雌しべを 指の鋏で切ってくれた。 遠く離れた場所に 百合が咲いた 時期外れのひぐらしの声
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