第1章

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「夢一夜」 100年も待てるかい。 と君が問うたので、 僕は、飽きやすいから無理だろうと 答ふた。 100年も待つことはできないから。 君がいなくなるときは 月のない朔日にしよう。 僕らは誰も見ていない海に肩を沈めた。 新月の夜。 100年もたつ前に会いに来てしまった。 もはや、百合さえもさかない。 接吻さえも咲かない。
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