【絶対なる】距離【支配8】

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というか、私の妄想もあながち遠からず……? てことは次はグループの繁栄の為にどこぞの令嬢との見合い話が持ち上がり、愛のない政略結婚をすすめられる…… けれども若槻グループ御曹司、頼近は総支配人として就任したホテルで青春時代の元彼女と再会し、 空白の時間を経て出逢った、可憐な少女から美しく洗練された大人の女性になっていた彼女に再び惹かれしまう―… みたいな展開が待ってる? 「おい、聞いてるか?」 「え、ええ」 しまった。 また、頭の中でロマンス小説を執筆しちゃってる…… 「まぁ、お前にとってはいきなりの異動で不服かもしれないが、パートナーとして宜しくな」 私の傍で、膝をつく若槻総支配人。 日本酒を私のグラスに注いでくれる。 こんな静かな場所で、こんな近くに来られると胸の鼓動が早くなっちゃう。 しかも、〝パートナー”って響きがずっと耳に残ってる。 それは仕事上のって意味は分かってるけど、 あの高校時代に彼氏彼女でいた頃の関係を期待している私がいるんじゃないかって……思ってしまう。 と、 その時だった。 若槻総支配人の携帯電話が鳴りだした。
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