上司と部下の「恋」模様

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◇…◆…◇  朝、顔を合わせても三木本はいつもとかわらない。  少しくらいは恥ずかしがる素振りをみせてくれるかと思っていたが、流石、三木本としか言いようがない。  ぼんやりとその姿を眺めていたら、波多が目の前に立っていたことに気が付かずに、それに驚いて声を上げる。 「ぼんやりしすぎです、八潮課長」  いつの間にか溜まってしまったファイルの山に、これは流石にまずいなと苦笑いを浮かべる。 「あらら、こんなに仕事がたまってた? 駄目だねぇ、今日は集中力がないみたい」 「そのようですね。三木本がピリピリしてますよ」  と親指で三木本を指す。確かにさっきよりも目つきが悪くなっているような気がする。 「わぁ、ちゃんとお仕事しまーす」 「そうしてください」  ファイルの山から一つとって開く。  三木本へ意識が向いている。それに気がついてピリピリしているのだろう。  昨日の事があるのだ。気にしてしまうのはしょうがないと思う。  まずは目の前の仕事に集中しなくてはいけない。
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