No.1 最低な女と嗤う

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それは、 恋愛をしている自分が、 美しくなろうと、 好きなあの人に追われる存在になろうと頑張る自分が好きで、 それらの結果が彼に告白されるという形で出たからなのであると。 自分の思い通りの結果が出せて嬉しくて、震えていたのだのだと。 本当にダメな、最低な女である。 あまりにも最低すぎて嗤えてきた。 いったい誰のどの背中を見て育ってきたのか。 そうだ。 私は生真面目で頑固な父と、 柔和で優しいが少し間の抜けた母に普通に愛されて育ってきたのだ。 そんなごく普通のありふれた環境でなぜ私みたいな人間が出来上がったのか。 本当に不思議である。 そして、震えた理由としては 好きな人に告白されて嬉しかったというのもあるがやはり、割合的には 前記の「自分の努力の結果が表れた」という方が高い。 だから私は悩むようになったのだ。 純粋に私を好きなタケルと私とのこの心の温度差を。
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