No.1 最低な女と嗤う

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自分からタケルをふる勇気もなく。 タケルに抱きしめたいと求められても、 他のカップルの女たちが嬉しがるように、私は嬉しがれなかった。 ただ、無理に口角を上げて、目を細めさせ、うんと頷くしかできない。 その時の私はきっと不細工な顔をしていただろう。 生気の宿っていない人形のように、抱きしめられ、キスをされ――― いつしか。 最初は嬉しかったこれらの行動に、私は慣れとだんだんと膨れる私の欲望とによって、 何も感じられなくなっていた。
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