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一番じゃなくなっちゃった。
彼への愛はもう無い。
そう思っていたのに、少しだけ胸がきゅうっと苦しくなった。
紛れもない。
昔、まだ純粋だったころに体験した失恋の痛みと同じだった。
自分から別れを切り出せないようなズルい人間でごめん。
わたしは心からそう思った。
そして、
タケルのLINEを消して、もらったお土産も、ペアのキーホルダーも、
目が大きすぎて気持ち悪いプリクラも、誕生日にもらったハンカチも、
スマホの中の写真も―――
タケルに関するもの全てすべてを消した。
もともと私みたいな人間なんかと釣り合わなかったタケルは、すぐに他の子と付き合い始めた。
かわいくて、愛想がよくて、スタイルも良い、私の友達のあの子と。
そして私は、付き合う前の生活に戻った。
LINE返信しないと、今日は何を話せばよいものかと急かされない、
私を封じ込める蜜がない生活に。
私はあの時心に決めた通りに。
これから、一生を一人で過ごしていこうとおもう。
欲望はもう封印して。
そうだ、小さい頃から英語を話せるようになりたかったんだ。
それで堪能に英語を操れるようになったら世界中を旅するのがいいだろう。
知り合いが誰一人としていない町で、好きなバンドのライブで熱くなって。
なんて楽しそうなんだろう。
よし、決めた。
将来は外国に住む。
どうだっただろうか?
少しは共感するところがあっただろうか?
それともやはりこんな人間の恋愛観は理解できないだろうか?
私はみなさんには、後者であってほしいと願っている。
自分みたいな人間がこの世にそう多くいて欲しくない。
もしも、私の様なそんな人間が何人もいたらこの世も末である。
最後に。
もしもこの話をここまで読んでくれた人がいるならば、
その読んでくれた人に誓って、決して同じ過ちを犯さないと私は宣言する。
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