祠の主

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私たちは、白い小動物っぽいもの達に取り囲まれ、子供たちがいる場所と同じところへ連れていかれました。 「お前・・。なんで連れ去られてるんだよ。」 「知らないよ~。そんなのアイツに聞いてくれよ。鈴の音が聞こえたと思って振り返ったら、倒れたみたいで、次に気がついたらここにいたんだよ。」 「分かった。もういいよ。お前の思考回路が子供みたいだから間違われたんだな、きっと。」 「そんな情けない理由、やめてくれよ~。」 普通ならこんなに怖い状況はないのに・・。 そんな会話をする2人を眺めていたら、思わず噴出して笑いだしてしまいました。 「さて、でもある意味これは、好都合かもしれないよ。相手の懐に潜り込めたと思えば。」 「そう上手くいくものかしら。」 「でも、よく見ておいで、白いもの達はあの黒いのに逆らえないようだよ。」 そういった青年の言葉通り、白い者たちは黒いものに従うように、後ろに控え、おびえているようでした。 黒い小動物はしばらく白い小動物たちになにか話しかけると、祠のさらに奥へと消えていきました。
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