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「ちょ、ちょっと待って!どうしたの?!何があったの?」
「うん。ちょっと、困ったことになったんだ。そうならないように注意してたんだけど。ていうか、アイツは本当にどこへ行ったんだ。アイツが持ってきた話だっていうのに・・。」
息を切らせながら、どこへ向かっているのかわからない道を走り続ける。
すると、明かりも暗くなり、祭りのお囃子や人の話し声なども聞こえないくらい道に来ていることに気がつきました。
「ねえ待って!あなたが神隠しの主犯ってことはないわよね?!」
だた、ひたすら前に進む青年を止めようと必死に声をあげ話しかけた。
その言葉で青年はやっと立ち止まり振り返った。
「え?あ、ごめん。そうか、そうだよね。この状況だと、そう思われてしまいそうだね。」
失礼なことを言って怒らせたと思ったが、青年は笑っていて落ち着きを取り戻したようだった。
「私としたことが、少し想定と違って焦ってしまったよ。」
「こうなったら、君に話をしないといけないかもしれないね。僕は趣味で民俗学を調べているんだ。それにかかわるオカルト的な部分も調べててね。それで今回、このあたりで起きている神隠しについて調べていたんだ。」
「じゃぁ、はぐれたのはあなたの助手かなにか?」
「いや。あいつはただの腐れ縁の友達だよ。助手というほどのものじゃない。居なくてもたいして困りはしないんだけど、今回はあいつが持ってきた案件なんだけど、詳細を聞いてないんだよ。」
「とりあえず、友人のことは分かった。それで、私たちは今、どこへ向かっているの?」
「恐らく神隠しにあった子供が連れ去られたと思われる場所。かな?確信できているわけじゃないんだけどね。さっきも言った通り、友人からまだ、詳しくは聞いてないけど、私のほうで事前情報として聞いていた話をまとめて、あたりをつけておいたんだ。」
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